2011/03/05 : 陸の孤島・楠屋埼&ホントの離島・島野浦島を巡る

05年の訪問しようとした大分県の楠屋埼灯台。
当時はまだまだ灯台探しのウデが未熟だったこともあり辿り着くことができなかった場所、、、あ、今も未熟だって!
(クマと遭遇し腰を抜かしましたが、九州にはクマはいないようで・・・恐らく鹿?猪??)
「いつかは再訪を!」っと機会を窺っていたのですが中々実現せずにズルズルと。。。
ただ、ここ最近の訪問がかなり楽な場所ばっかりだったので身体がなまってきた??
「久々に厳しそうな場所に挑まないと、身体がなまるべやっ!」っと思い始めたのが2月に入ってから。
しかも草木も冬枯れしたこの時期なら難易度は多少なりとも下がるか?
ってことで、楠屋埼灯台訪問が再燃したのでした。
ただ、前回挑戦時は半島の南側にある楠屋地区から挑んでみたのですが敢え無く断念。
それなら今回は半島の北側からアタックしようと狙っていたのです。
(それでダメなら南側を再度挑戦!って感じですね)
そして更なる秘策(?)を胸に秘め、悲壮なる覚悟で挑むことにしたのです(大袈裟です!)。
今回は楠屋埼灯台メインなので、あまり多くは訪問する予定は立てずにおりました。
まぁ、アッサリ訪問できた際の追加案だけでは考えておくかぁって感じですね。
4日の仕事終了後、早々に眠りについたのが21時。
翌5日、まだ真っ暗な1時半に起床。
身支度を整えた後、2時30分に家を出発したのでした。

鹿児島ICから九州道に入りどんどん北上していく。
星空が奇麗に見えている、これは天気の心配は一切なさそうです♪
休憩することなく一気に熊本ICまで進み、そこから国道57号を通り九州を横断することに。
下道に入ってからすぐに給油をしておきました。
リッター137円って高すぎですっ!
しかも外気が肌を突き刺すような冷たさです。。。
スタンドを出発してからも黙々と運転を続けていく。
走行している国道57号、普段だと阿蘇大橋付近で慢性的に渋滞している印象があったのですが。。。
さすがにこの時間だとスカスカですね♪
昼間なら奇麗だろう阿蘇山は当然見えませんが・・・
そして、阿蘇を超えて大分の竹田市手前に到達する頃には設置された気温表示板が『−7℃』を表示していた!
こんな気温なんて経験したことない、ましてその中での運転なんてございませ〜ん。
凍結を心配しながら慎重に運転していきました。
まぁ、どうにか滑ることはありませんでしたが、ウィンドウウォッシャー液が凍結して出なかったのには焦りました。
(気温が上がった昼前には復活しましたよ!)
ビクビクしながら、中九州横断道路(無料)に入りようやく国道10号に合流しました。
その後、国道502号を通り、遂に臼杵市内へと到達したのでした。

臼杵市街からは県道33号から県道217、707号を通り楠屋埼灯台がある半島の先っぽへと進んでいく。
県道707号の道幅はかなり狭い!
朝帯だったからか対向車が多く離合するのが大変でした。
しかも途中、トンネルがありましたが結構過激な狭さで思わずニヤッと。。。(←怪しい!)
 かなり狭いぞ!
そして、県道の終端『泊ヶ内地区』に到着したのが7時40分。
漁港の邪魔にならない場所に停車させて身支度を整えて、いざ楠屋埼灯台へ!
前回訪問時、「楠屋埼灯台は『楠屋地区』から挑むのが普通だろう」なんて変な考えを持っていたのですよね。
で、海岸沿いは岩ゴロゴロで厳しそうだし、山道に足を踏み入れたら動物と遭遇して腰抜かすし、で夢散!!
その後、良く地図で見れば北側からの方が距離的には断然近そうじゃない!
しかも、航空写真だと山頂目がけて何やら造成された様子が窺えたのでした。
当初は道路?採石場??なんて予想していたので、運が良ければ灯台までも整備されているのでは?
とか思っていたのです。
・・・っと、その前に聞き込みですね♪
 泊ヶ内のバス停
辺りを見渡し、漁港近くのバス停におられたお婆さんに挨拶してみると、
「あら、あなた杖なんか持って。どこ行かれるの?」
「この半島の先に灯台があるのご存じありますか?」
「灯台なんてないですねぇ」
「え!?」
「けど、この先の道から山の頂上まで行けてそこからの景色は奇麗ですよ」
「あぁ、そうなのですかぁ」
「半島の反対側まで抜ける道ですが、今工事しているのよ」
って感じのお話を伺ったのです。
『灯台はない』ってのは『メジャーな灯台はない』ってことでしょう、これは気にしません。
後、航空写真の造成部分は半島を縦断する道路のようですね。
これを上って山頂まで行けば灯台までの山道が延びているかな?
そう、今回秘めていたもう1つの策が「山の稜線を辿っていく」ことだったのです。
稜線を目標に歩けば岬まで行くことはできそう、そして見晴らしが良ければ灯台の位置だって分かるか?って狙いです。
そのためには、まず山頂まで行くことが必須条件だったのです。
なので『泊ヶ内地区』から延びる道の存在を知り「よしっ!」っと思いました。
お婆さんには「それなら頂上から景色だけ見てみますわぁ」って感じで御礼を言った後、山道へと進むことに。
 港から延びる山道
漁港奥から山に延びる道を上っていく。
出だしだけは狭かったものの、工事区間を示す看板がある地点からはかなり整備されていました。
 画面中央を只管上へ!
 かなり綺麗なコンクリ路
これなら車で来た方が良かったかも。。。
道は奇麗過ぎなのですが斜度があって早くも息が切れます。。。
どうにか峠の頂上に到達、頂上付近は道路建設で抉られていましたよ!
(当時はこの先から未舗装で工事中でした、しかも下る一方の道)
 ここが頂上だよ
峠の南側から山道の入口っぽい場所があったので、ここから山中に入ることを決断し、いざ楠屋鼻へ!
っと思ったら、すぐに前進が困難な状態に。
立ちはだかる木々は予想していたけど、斜度がきつくて、と〜っても危険なのです。
・・・アッサリ引き返したのでした。
早くも断念?いや、まだまだ諦めるには早過ぎです。
「峠の手前にあった入口から一旦山頂を目指して稜線を辿るか」
と作戦変更。
コンクリ舗装の道の手前から延びる階段より再度森の中へ!
 こっから突入じゃ!
冬場だからか、はっきりとした道はないものの歩ける空間はあったので、ここから山頂を目指すことにしました。
木々を交わしつつ上へ上へ。
そして、ピークに到達すると山頂部分にリボンを発見しました。
 頂上のリボン♪
「お、これは誰かが足を踏み入れた証だよな!」
とか思いましたが、周囲に他のリボンは確認できず。。。
(どうやら山頂を示すための印のようですね)
ただ、岬方面には別のピークがあるので、このまま稜線を進めば問題はなさそうです。
人の歩けそうなスペースを下っていくと・・・おかしい。。。
目標としていた別の山頂が右手に見えているのです。
歩けるところまで行ってみましたが、どう考えてもルートを外れているようです。
今回、たまたまコンパスを持っていたので歩く方向を確認したら北側目指して進んでいるようです。
これは完全コースアウトですね。。。
・・・しょうがないので、来た道を今度は上って山頂まで戻りました。
コンパスを確認し、東に向かって草木をかき分けると正しい稜線を見つけることができました。
時々、リボンを見かけましたがポツポツとだったので道標としては活用できない感じ。
 所々にリボンはあるものの・・・
尾根伝いの道は太陽の当たる南側は草木が良く生えていて歩きにくいものの、北側はそれほどでもありません。
そのため、尾根より少し外れた地点を歩いて行くと前進しやすかったのですが、すぐにコースアウトしてしまうリスクも。。。
なんとかルートを外れないように注意していましたが、歩きやすい所を歩こうとしたらどうしてもミスコースに。
「どこか景色が見渡せる場所があれば良いのだけど・・・」
なんて思ったのですが、木々の切れ間はございませ〜ん。
 道ってより歩くスペースだけはあるって感じ・・・
最終手段として木登りして・・・とか思いましたがこれはホントの最終手段として温存??
アップダウンが激しい上に日頃の運動不足も祟ってか、足が重たい!
そんな中、どうにかこうにか2番目のピークに到着。
景色は全く見渡せません。
ぼちぼち灯台があっても良いはずだけど一切そんな姿はおろか影すらない。
もう、ここからは闇雲に探すっきゃない!
まずは歩きやすそうな場所に向かってみたものの全くダメ。
北に向かって歩いてみましたが、灯台がある雰囲気はないので岬に向かって斜面を下ってみることに。
木の幹を足の踏み場にしながら下ってみたものの・・・
コレ以上下ったら戻れなくなる?って危険性があったので、途中からは南進しつつ等高線を辿るように伝い歩いていく。
ただ、流石に戻るのが厳しくなりそうな地点まで来たものだから、一旦斜面を上ることにしました。
すると、そこにリボンがあったのです、近くには大きな木が・・・
「もう、これは木によじ登って手掛かりを見つけるしかないかも」
ボロボロな精神状態で木登りです(何年振りでしょうかね、木登りなんて!)。
『灯頂部が見えたら儲けもの、なかった場合は探す箇所を大きく変更だよねぇ・・・』
とか思いつつ、5、6m程よじ登ると・・・
「あ!アンテナ(避雷針?)が見える!しかも、かなり近い!!」
木を上った地点から少し下った地点に灯台(に違いない)を見つけることができたのです。
慎重に木を下りて斜面を下っていくと・・・・ついについに楠屋埼灯台に到達したのでした。
 やたっ!!到着!!
この達成感と来たら!!かなり嬉しかったですねぇ。
ただ、来たルートとは別のしっかりとした道が延びていたので、まずはそちらをトレースすることにしました。
しっかりした階段などを下っていくと、そこには・・・船着き場がありました。
 落石で埋もれた階段を下り、、、
 鉄階段を下りると、、、
 船着き場に到着。。。
灯台の保守点検は船で行われるようですね、さすがに・・・
船着き場の左右を見渡してみましたが、ゴロゴロとした岩場があるのみ。
海岸線を伝い歩いて向かうには厳しいかな?
(これについては歩いていないので何とも言えませんねぇ)
確認も済んで、来た道を戻って撮影です。
灯台は何の変哲もないありきたりな姿ですが、ようやく辿りつけた恋人です、愛おしかったぁ(って発言が怖い!)。
透き通る青空の下で撮影を行い、満足々々です。
 ようやく会えました♪
水分&食糧補給を行い慌ただしく戻ることにしました。
来たのは良いけど戻るまで安心できません、結構命がけで到達したからね。。。
帰りは来たときほどではないものの、途中やっぱりコースアウトしつつ、です。
(コンパスを見て西に向かっていないことでミスコースに気付きました、方位磁石を持っていて良かったですよ!)
どうにか第一のピークに到着し、下っていくとコンクリ車道の姿が♪
「やった!どうにか戻ることができた!!」
っと油断していたら、見事に足がピッキーンっと攣りました。。。
森の中、しばし一人で悶えておりました。
そしてどうにか車を停めた漁港まで戻ることができたのでした。
行きが1時間40分、帰りで1時間10分・・・まぁ、道に迷いつつの数字ですからね。
迷うことがなければ1時間程度で行けるかな?
まぁ、道なき道を歩いてだったので「疲れた!」よりは「戻れて良かった!」ってのは本音です。
暫く呼吸を整え、自身を落ち着かせた後、出発したのが12時35でした。

ほぼ予定通りの時間だったので、追加案として考えていた灯台にも行くことにしました。
それが島野浦島に渡っての灯台訪問♪
県道707号を引き返し県道217号のグネグネした峠道を超えて津久見ICから東九州自動車道へ。
佐伯ICまで進んで国道10号に出て、まずは道の駅『やよい』に立ち寄りました。
 温泉併設の道の駅♪
汗だくだったので温泉に浸かりたいなぁっとは思いましたが、時間の都合上ここは我慢!
お手洗いや買い物だけして出発。
国道10号の山間を抜けて南下していき、宮崎県に入る。
連絡船の時間が14時55分ですが、時間がかなりギリギリな感じだ。。。
「これは5分前とかの到着になるかもなぁ」
っと少し急ぎ気味で県道240号を通り、国道388号に抜ける作戦を敢行!
なんて思っていたら、山道になるわ、道は狭いわ、鶏が道を塞ぐわで。。。
どうにか国道に出て港への脇道に入ると、トドメの低速で走行する軽トラが(怒)
「あぁぁ、これはもう間に合わんわ」
っと思いつつ到着すると、「たった今、出港!」ってところでした(涙)
 ここが待合所ね!
予定は狂うものの、次の便まで待つしかありません。
待合室で乗船券を購入したり辺りの撮影などしたりして時間を潰しておりました。
そして、15時50分の便でようやく島野浦島へと渡ることに。

 ようやく乗船です
波も穏やかで船酔いは全く問題なし。
ぼんやり外の景色を眺めていると、島野浦島手前の岩場に灯台の姿を見つけました。
「防波堤灯台のようでもないので、後で撮影しておこうかな」
ただ、瀬渡し船でしか近づけなさそうなので、遠景となりそうですが。。。
そんなことを考えつつ島野浦島に上陸。
まずは目的の島野浦島灯台です。
港の向かいにある案内板よりルートを確認。
 神社からのルートをチョイス
 ここにも灯台??
近くの神社まで行くと境内に向かう階段に道標があるのに気づきました。
神社の脇をすり抜けると山道の始まりです。
運動不足と追い討ちをかけるように午前中に歩きまくっているのとで足が前に出ません。
 神社から40分か。。。
 お社の右手に道あり!
息も切れ切れの状態で急坂を上っていく、当然休憩を取りつつです。。。
まだ3月なのに汗が滴り落ちる有様。
 ロープもありつつ
 斜度がきついの!
そして分岐が現れたところから道が複雑になってきたのです。
まぁ、道標があるので迷うことはありませんがね♪
 左右どちらでもOK?
 親切設計でしょ!?
 あと少し!
建物の脇を越えていき山の頂上付近まで行くと遂に灯台を見つけたのです。
汗ダラダラ、息も上がっていましたわ。
灯台自体はありがちな形をしていましたが、そこからの景色は素晴らしかったですよ。
灯台には大胆にも梯子が立てかけられていました。
「『登ってください』と言わんばかりだな」と思いましたが、辺りに案外木々があったし登らなくても景色は良かったので登っていませんよ!
 これまた大胆な!!
灯器を見られないことはなかったですが、下の街から丸見えだしねぇ〜。
なんて思いながら撮影を完了。
乗船中に気づいた灯台も、山の上から撮影しておきました。
そして一気に下っていき港へと戻ったのでした。
その後、時間はギリギリでしたが五丈礁に立つ灯台に近づいてみました。
道を少し間違ってしまい「帰りの連絡船に間に合わないかも・・・」と急ぎ足に向かいます。
灯台の手前にある防波堤に上れば至近距離から狙えそうだと思っていたのです。
漁港奥にある目的の防波堤まで行ってみると、、、
「あ!防波堤まで行く道がない!!」
 近づけそで行けない!
陸続きにはなっていたのですが、そこまで行く道がなかったのです。
(岩場をよじ登れば行けないことはありませんでしたが。。。)
そんな感じで慌てていたら、帰りの船の時間が迫ってきたのです。
ってことで、あっさり諦めました。
船内からや山頂から撮影しておきましたからねっ!
いつか渡し船とかあったら行ってみたいかな?
けど、遠目に見えちゃったからもう良いかな?
なんて考えながら18時20分の船で本土へと戻ることにしました。
もう辺りは暗くなっていたので点灯する姿を眺めつつ島を離れました。
乗船時間は短かったのですが歩き疲れていたので転寝してしまっていましたzzz
浦城港に戻り、アタフタと車に戻り出発しました。

その後は延岡市街に出た後、国道218号を通り九州を横断。
そして、熊本の松橋ICから九州道を使って一気に鹿児島に戻ったのが日も替った0時45分でした。
久々に歩きまくった今回の旅。
そのお陰で念願の楠屋埼灯台にも到達できたし満足々々♪
ただ、久しぶりに歩きまくったから疲労感が半端ではありませんでした。
これが次の旅への良い足慣らしとなったのでした。


走行距離:749km


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